理工学研究科
大学院理工学研究科のコーナーには、その前身である理学部や附属施設も含めて教育・研究に使用された機器や標本が多く展示されています。機器としては、電子計算機が出回る前に活躍した手回し計算機、質量を正確に測定する直示天秤、化合物の同定に使われた融点測定装置、各地の震度を測定した地震計があります。標本としては、雪害観測所で撮影された雪の結晶等の写真やフィルム、コンクリートの経年劣化の研究に供されたコンクリートコア、実習等に使われた鉱物・化石があり、一部は旧制弘前高等学校や教養部で使われた標本です。
理工学研究科に所蔵されていた貴重な資料としては、日本蝦夷地質要略之図(復刻版)、SENSマシンのビット、津軽鉱を展示しています。日本蝦夷地質要略之図は1876年に日本で最初に作成された広域地質図で、原図、復刻版ともに現存数はわずかです。SENSマシンは軟弱地盤にトンネルを掘削する機械で、展示されているビット(刃)は、北海道新幹線のトンネルを掘削するために津軽半島で使用された世界で二例目のSENSマシンに装着されていた実物です。津軽鉱は青森県で最初に発見された鉱物です。
岩木火山の立体模型は、岩木山の地元の弘前大学における最新の研究成果に基づいて、岩木山の地形と岩石の分布を示しています。隣には岩木山に分布する主な岩石が展示されており、立体模型と合わせて岩木山をより多角的に理解できます。
大学院理工学研究科のコーナーでは「『なぜ、どうして』が、新しい発見の入口です。」のコンセプトに基づき、体験型展示も行っています。「岩石の観察法」は野外で採取した岩石が顕微鏡で観察できるようになるまでの過程を示していますが、ボタンを押すと光源が点灯し、顕微鏡で岩石薄片を観察することができます。また、「ブラックライトで光る鉱物」では、ボタンを押すと紫外線が照射され、展示してある鉱物が発光する様子が観察できます。