津軽領元禄国絵図写
弘前藩が江戸幕府に提出し、正本・写ともに失われたと考えられていた「津軽領元禄国絵図」の写が2008年8月に弘前大学附属図書館から発見されました。同絵図には弘前城下をはじめ、約300の村名などが記載されており、主要交通路、白神岳などの山岳や河川、津軽半島北端部にあるアイヌの犾(えぞ)村、各村の村高も書き込まれ、当時の津軽領内の地理、経済などの情報がひと目で分かります。縮尺は、2万1600分の1で、サイズは、南北3メートル38センチ、東西3メートル96センチ。現在の津軽地方を中心とした当時の津軽領全域が、狩野派の絵師によって描かれています。 絵図には、「元禄14年(1701)11月 津軽越中守」との書き入れがあり、幕府が提出を求めた時期と一致し、当絵図は、弘前藩が幕府へ提出しようとした最終段階の下図か、控図の写しとみられます。